ペプチドで免疫活性化するがんの治療法は多くの機関で研究が継続されていました。近年、それらのペプチドを治療したペプチドワクチンの臨床実験が本格化し、各地で良い実験結果が得られています。
大変に希望に満ちた朗報と言えるでしょう。
くすし 拝
2010年8月17日 時事ドットコム
悪性乳がん細胞が消失=人工ペプチドで免疫活性化−北海道大など
北海道大遺伝子病制御研究所の西村孝司教授(免疫学)らの研究グループは17日、アミノ酸を結合させた人工ペプチドをがん患者に投与し、がんに対する免疫力を高める治療法の有効性を臨床研究で確認したと発表した。悪性の乳がん細胞が消失する効果も表れたといい、22日から神戸市で開催される「第14回国際免疫学会議」で発表する。
研究グループは、アミノ酸40個を結合させた人工ハイブリッドペプチド「H/K−HELP」を開発。従来のペプチドワクチンによる治療では、がん細胞を直接攻撃する「キラーT細胞」を活性化させることが中心だったが、H/K−HELPは、ほかの免疫細胞の機能を促進する「ヘルパーT細胞」も同時に活性化させる働きがあるという。これを患者に投与したところ、6人のうち4人に、がんに対する免疫力を示す数値の上昇が確認され、重い副作用はなかった。
また、共同研究者の奥野清隆近畿大医学部教授によると、再発で化学療法や放射線治療が効かなくなった悪性の乳がんの患者1人に投与した結果、CT画像で腫瘍(しゅよう)が完全に消失したことが確認された。
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